2015年1月13日火曜日

中学3年生の男の子に贈る言葉

中学3年生の男の子からメールを頂きました。ご縁とは不思議なもので、NMB48のファンの彼はそこから私の存在を知ったそうです。その中にこんな相談がありました。皆さんならどうお答えしますか?

受験生である中3の自分はあまり言葉の引き出しが多くはありません。そこで、受験に向けて面接官からの「どんな言葉が好きですか?」の返しで言えるカッコイイ言葉をぜひ教えてください!

私はこれを読んだとき「ええなぁ…」とニヤリとしてしまいました。だって、カッコイイ言葉を返したいんですよ、この子は。 その勢い、その我欲こそが若いパワーでしょう。これが大人なら本心はココにあったとしても、もっと違う言い回しをするでしょうね。

さて、ここからが私の答えです。(※あくまでもこの子に返信しているイメージでお読みください。)

中3で「言葉の引き出し」を多く持つ必要はありません。思ったことを口にすれば良いんです。間違っていれば大人が修正してくれます。でも気をつけなければならないことが3つあります。

 その1 丁寧な言葉をつかう
 その2 本音を言う
 その3 喜ばせる意識をもつ

その1の丁寧な言葉とは「敬語」です。人間関係に悩んだら下級生にも取りあえず敬語で接する。すると敬語が身についてきます。敬語は一度身についたら、少々言葉がみだれても元に戻ります。それを鍛えるには中学から高校までの期間しかありません。

その2の「本音」とは、本心です。「ぶっちゃけ」と混同してはいけません。腹を割って話すことではないのです。ぶっちゃけるとロクな事になりません。要は「おべんちゃらを言わない」ということ。本心を発すること。おべんちゃらに慣れてしまうととんでもない大人になってしまい、真の仲間がいなくなってしまいます。愛想笑いもいらないよ。むやみにヘラヘラしなくていい。そのほうが本当の笑顔が輝きます。

その3の喜ばせる意識は、「後味」を示します。オモロイ子だったなぁ…とか、マジメなこだったなぁ…とか、印象に残る会話を目指しましょう。それが誠意です。印象を残すには2つしかありません。嫌なヤツになるか、好かれる人になるかのみ。ならば好かれるほうを選ぶでしょう。

好きな言葉についてはいろいろあって悩むでしょうが、中学生くらいなら「夢」「希望」「未来」あたりが1番人気があるでしょう。でも私ならあえてこれらを外します。夢も希望も未来も、その先のビジョン(どうなりたいか?何を目指すか?)があって成立する言葉です。掲げるだけで満足していちゃダメな言葉です。大人になってもこれを言っているような人は信用しちゃいけません(笑)。

あえて私が君に贈る言葉は…………これは直接、メールしておきますね。お楽しみに。

ラジオに寄せられたものですが、少し答えを急ぐようなので先に記しておきます。もちろん後日、ラジオの中でも詳しく話したいと思います。ご期待ください。

2015年1月4日日曜日

今年はマイナスも認めてみよう

本年もよろしくお願い申し上げます。

今年は新年から冷え込んで水行場もたいへんでした。今朝は井戸水を汲み上げる水道がようやく溶けてホッとしました。水ひとつ、自分の力ではどうすることも出来ない、そんな小さな存在だと思い知らされた新年でした。

愚僧の私は水道が凍結して水が出ないとき、心の中で「ラッキー!」と叫びます。でも溶けたらそれを被るわけで、それはメチャクチャ冷えてるわけで、ぜんぜんラッキーじゃない(笑)こんな心で20年以上行ったり来たりしています。

最近、「今と昔を比べる論調」をよく耳にしますが、要は「古代人は自然に添うように生きてきた」のに対し、「現代人は人間の造ったモノに自然を当てはめようとしている」だけ。これが根本の違いでしょう。どちらに優劣があるのか? ほとんどの人が前者が善い!と答えるでしょう。でもこの世の中、ここまできたら必ずしもそうじゃないような気がします。

真言寺院の生活は、特に街中の生活は、その狭間を行ったり来たりしているような気がします。賛否は別として「融通」と「曖昧」を調和しながら、マジメを面白がりながら自身の可能性を見出していく。だから私は、極端なロハスやオーガニックも苦手だし、計算し尽くされた文化の中を泳ぐのも嫌いです。文章にすると難しいけど、なんとかく駄菓子屋のようなエエ加減さが好みです。美味いけど舌が青くなって食べ続けると体に悪いよ…でもちょっとなら食べちゃうとか、似てるけどこれってバチもんのプラモじゃん…でもこれもカッコイイねぇとか。

一部を「恥部」とするのではなく、大らかな中にあれもあってこれもある。今年はマイナスもあるけど必要だよねぇ…みたいな心地よさを遊歩したいなぁと思います。力みはちょっと置いておきたい心境です。