2014年12月3日水曜日

堅いと賢いは似て非なり

この不景気でナニゴトも思うようにならないという愚痴をよく耳にします。放送業界なんてモロにその影響を受けているようで、私が関わっているだけでもかなり苦しそうな印象を受けます。会社と現場……会社は「少人数で低予算、安いタレントで作れ」と煽り、製作は「こんな予算じゃ、こんなタレントじゃ、ロクなものが作れない」と開き直る。こう書くと会社が一方的に悪いように映りますが、予算があればあってしょーもない所に金を使う現場にも問題はあるので「メディアうぬぼれ」の悪循環は止まることを知りません。

これを打開するにはセンスと度胸しかありません。「これだけの予算で?」と愚痴るのではなく「よっしゃ、これで一発かましてやる!」くらいの威勢が必要です。それで結果を残せば、上からはまた「な〜んだ、この状況でイイもん作るじゃねーか」とますます苦しい条件を突きつけてきます。ほとんどの現場は、それに耐えかねて逃避してしまいます。これは苦しいからを理由の全面に挙げますが、実はプライドが許せなくて逃亡しているだけ。そのパターンがほとんどです。もったいない。

この状況の打開策は、どんな悪条件でも善い仕事をして結果を残すしかないのです。3つも4つもクリアしていって初めて「やるな、お主!」となるのです。序の口で結果を求める心意気こそ愚かなこと。やって魅せればイイのです。

企画が通らないと嘆く人にもよく出会います。企画なんて車検みたいなものです。企画=アイデアという感覚を一度捨てて、企画は「決まり事」だと割り切ってみる。厳しくつまらぬ頭でっかちの眼をかいくぐって、企画を通すことに専念する。そこの評価は社内(身内)なのだから気にせずにお利口さんぶって通すことに力を注ぐ。

通ってから(車の例えは不適切ですがご勘弁を)改造しまくればいいのです。製作の過程でどんどん枝葉を茂らせて、面白いものを作れば良いのです。お寺なんてその繰り返しです。「本堂を新築します」と宣言するとほぼ100%の確率で反対されます。それを「少々、改築いたします」と発すれば、不思議なもので50%の可能性が出てきます。柱1本遺した工法でも改築となるのです。ウソをつけというのではなく、方便としていかに理解を求めるか。もちろん、その先に素晴らしい結果を出すことが絶対条件ですが。会社が悪い?いや、それは違います。本人の頭が堅いだけなのですよ、実はね。堅いと賢いは似て非なりなのです(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿