2014年5月24日土曜日

御宝号(ごほうごう)は応援言葉

お坊さんじゃない一般人の知人に御宝号(ごほうごう)の説明メールを書いていたら、なんだか皆さんにも読んでいただきたくなってきたので、加筆してお届けします。

空海さまを拝するとき、南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)と唱えます。他の宗派は「南無阿弥陀仏」であったり、「南無妙法蓮華経」だったりしますが、
古儀真言宗では祖師(空海)のお名前を唱えます。

〈南無〉は呼びかけ
〈大師〉は天皇が下賜くださった弘法大師号
(遍照・金剛〉は師匠から授かった両部の法名

ですから「南無大師遍照金剛」とは、さまざまな立場で授かったお名前を連呼していることになります。この意味を紐解くとこれが格好いいのです。

金剛は金剛石=ダイヤモンドです。ダイヤモンドは地球上で一番固い鉱物。それを砕き、研磨するには、自身より固いモノと切磋しなければ成りません。弱い志だと輝きは得られないし、相手のほうが固いと自身を木津つけてしまいます。だから〈金剛〉とは強烈な命がけを表しているのです。

そうして得た輝きで周囲(世の中)を〈遍照〉(遍き照らす)するわけです。苦難から身をひかず、命がけでぶつかり、堅固な魂を持って爽やかに周囲を照らせ!という意味が込められています。


「南無大師遍照金剛」とは、いわば空海さまを見習えという人生の応援言葉です。ときに自身に向けて、ときに衆生に向けて、叱咤激励する念仏だといっても過言ではありません。そこには悲壮感はなく、ポジティブに生き抜こうぞ!という志の証です。しかし残念ながらそこまでの意図を知り、唱えている人は少なく、行とは悲壮感に満ちた苦労話のネタであるが如く、あやまった布教と陳腐な方便で世の中を欺いています。

今日もガンガンぶつかって金剛石を見つけましょう。そして遍照いたしましょう。とにかく爽やかにネガティブにならずサラリを意識して世の中を楽しみたい。まじめを笑いながらでハードに行ずる。これが空海さまのおっしゃる精進だと思います。

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