2014年5月6日火曜日

ランドセルにお守り

お寺のゴールデンウィークは連日、法事が続きます。1日に複数件ってこともあります。現代では故人の命日にキチッと営まれることは少なくなり、少し繰り上げた土日、祝日に申込みが殺到します。お百姓が減り、会社勤めが増えたせいでしょう。その理由に加えてお年寄りは孫の帰省を心待ちにしていて、最優先が子孫となっている場合が多いようです。故人はあくまでもきっかけであり、親族の予定が優先だと憂う気持ちもありますが、久しぶりの再会に笑顔がこぼれているとそれはそれで素晴らしい光景だなぁと思います。だって法事くらいでしょう、三世代以上がその場に集う一族の行事はね。

この時期は来る日も来る日も法事を勤めているわけですが、そんな状況だからこそ新しい法話がどんどん生まれ、ご披露する機会をえて、しっかりしたものに完成していきます。今年も数話できたのですが、中でも「お守り」のエピソードは大好きな内容となりました。



お寺にはお守りを授かりに多くの人々がやってきます。こと春になりますと、子供のために孫のためにと求めに上がられます。新学期がはじまりますと、それらが通学カバンやバックにしっかりとつけられます。中にはたくさんのお守りをつけてる子もいます。しかしその光景は信仰でありながら学校も大目に見て下さる民間信仰のあかし。もっと言えば、その子たちが別に意味を知っているわけではなくて半ば強引に大人から授かったものです。

私はここになんだか不思議な愛情を感じてしまいます。日本独特のお守り文化。しかしそれもいつしか外され、年齢にしたがってワガママになり、好き勝手を生き始まるわけです。でも目には見えなくてもそのお守りの心はずっと変わらず、祖父母や両親の愛情は濯がれている。私にもアナタにもお守りの思い出はあることでしょう。いつしか置き忘れたお守りは今でもそばにあるはず……感謝しなきゃね。


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