2014年8月2日土曜日

ぜ〜んぶ繋がっているからさ

私はモノをはっきり言うタイプですが、白黒決着が苦手です。他人が熱くなってくるとちょっと冷めてみてしまいます。スポーツや音楽には熱くなるんですけどね……政治とか社会とかエコなんかは「どっちもどっち」という視点でみてしまう。

盆行でいろんなご家庭をお参りすると、世の中には本当にいろんな立場があって、一概に線を引くことは出来ないと痛感します。それでも江戸時代から続く檀家と菩提寺の関係にはなんとも表現しにくい信頼があって決して争うことはない……面白いなぁと思います。

生涯百姓だと自他共に認めるおじさん。この人のガンチクは面白い。「世の中、無農薬、無農薬って言うけどなぁ、農薬は毒じゃねぇんよ、あくまでも薬じゃ。な〜んもわからん小娘がガーニック(たぶんオーガニックのこと)じゃねぇーとおえん(ダメだ)とおらぶ(叫ぶ)けど、おめーの口紅のほうがよっぽど毒じゃわ!」要は良質の農薬は日本の農業にとって必要であって、虫なんかいたらそれこそ死活問題。無菌農法なんてのも、おじさんから言わせれば気色悪いことだと言う。

檀家の中にはたくさんのお考えがあって、長年お参りしていると「ほぅ、そんな考えもあるんだ」くらいの捉え方でどんどん肥やしになってくるから不思議です。

以前、河合隼雄さんが講演(書籍だったかも)で、山頂にゴルフ場を造ったら麓の家が大雨の土砂で流されてしまったことを例に挙げて、人間はこういう問題が起こると「大雨が悪い!」と雨を止まそうとはしないで、ゴルフ場を責め立てる。それも極端な話であって、ゴルフも余興としては必要だし、承諾を得て建設している。ということは、人間はこの地球上で生きている以上、自然を大なり小なり壊して生きていることを自負しないといけない。そのサジ加減を学ぶべきだし、自然の変化による予兆を察知する努力が必要だと説かれていました。

結局、超自然やオーガニックの崇拝だけでは生きられないんです。ぜんぶ繋がっているから、関係ないこともないし、関係がありすぎることもない。なんとなくありのままで、適当になすがまま……それくらいで丁度良いような気がします。極限の暑さで衣をまとい、仏前を拝み、いろんな人と話しているとそんな気がしてきます。力みなさんて……って声がよく聞こえ出すんです、お盆には(笑)

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