2014年8月21日木曜日

わからずやには、こんな説話を

お盆が開けてヘトヘトの中、お寺はにわかに秋以降の法事やらの予約で忙しくなります。時にはお寺に対する要望や住職への不満もあります。すべてに耳を傾け、誤解は解き、改善が必要な場合は努力を約束します。中には酔ってトンチンカンな電話でエンドレスで延々グチを聞かされたり、嫌みを罵られたりして、長時間「はい、はい、はい」とコールセンターみたいになります。

よく「この際だから言わせてもらうぞ!」というセリフも耳にします。心の中で(どの際やねん?)と叫びながら延々と伺います。罵詈雑言が出始めるとさすがに不快になるので「では、すぐにお邪魔しお詫びします……」と電話を切ろうとしまと、「待て待て、それほどのことじゃない」と慌てて冷静さを取り戻してくれたり……。正直、相手寂しいだけなのですが、多忙なのでかんべんして欲しいものです。

こんなやりとりは他の寺社、会社や店舗でもあることでしょうが、もう30年もこんなことを繰り返していると、そんな「わからずや」には、お釈迦さまの説話を淡々とお話しして締めくくります。

お釈迦さまはね、毎日、ご自分に罵詈雑言をはき出す男に対して、一切取り合わなかったんですよ。来る日も来る日も無視し続けられた。そしてね、その男に「毎日、美味しいナマモノを届けたが、そのうちは留守だった。そんな時はどうするか?」と問われたのね。すると男は「勿体ないから持ち帰っていただく」と答えた。「ならば、お前の罵詈雑言は私の手元にはない。私の心は留守だったのだ」とほほえみ、「勿体ないから持ち帰ったのだね。私は罵詈雑言は受け取っていない、天に向かって唾するような言動は控えるべし」と諭されたんですよ。

その後、この悪業がどう転ぶかは知るよしもありませんが、勢いで暴言を吐くのはほどほどにしておいたほうが良いと思います。どちらも疲れるしね。

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