2014年8月1日金曜日

小さなお接待

昨日の話。盆行でとある一軒家にお参りしました。チャイムを鳴らすと「はーい!」と声がしたのですが、なかなかカギを開けてくれません。どうしたのかな? と待っていると小学生の女の子が出てきてくれました。何年生ですか?と訊くと「4年生になりました」と緊張した面持ちで答えてくれました。

その子に仏間へ通してもらい、灯明とお香に火を入れて拝み始めました。背中には人の気配がしたので、家族がお揃いだな……と拝み続けました。少し暑さを感じたので横にある扇風機を回してくれないかなぁ……とも思いました。

読経が終わり、汗だくになって火の始末をして振り返りました。そこにはチョコンと女の子だけが座っていました。「今日はお留守番ですか?」と訊くと「はい」と頷き、三つ指をついて「今日は父も母もいません。私1人でございますので、なんのお構いも出来ません。お茶も出せません。お許し下さい。これをお納めください。」とお布施を渡してくれました。

私は「お母さんと練習したの?」と問いました。女の子は元気に「はい!」と笑顔で答えてくれました。扇風機は準備していたから、きっとスイッチを入れ忘れてしまったのでしょう。それでもその行儀良いお接待に暑さは吹っ飛び、清々しい気持ちになりました。来年はお茶が出るのかな? 私はそんな期待をして、その家を後にしました。

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