2014年8月5日火曜日

その人をとことん味わう

さわえ婆ちゃんの家には年に3回お参りします。春と秋の彼岸とお盆の3回。いつのころから知らないけれど「絶対おいでぇーよー(来なさいよ)」と言われるのでお参りしています(笑)昨日もお参りしてきました。

玄関から婆ちゃんのペースで一方的な会話で始まります。こちらの話はまったく聞いてません。「よぅ来た、よぅ来た、あがられぇ(お入りなさい)」「今日はトイレはええんか?」「飲むか、麦茶入れてやろうか、オロナミンがええか?」「ささ、ここで拝んでぇよぉ、線香つけちゃろうか?」そして読経。その最中もズッと話しかけてくれてます。お経の後半に入ると「ありがと、ありがと、もうええで。そこのお布施持って帰ってや。お菓子もたくさん買うといたから。はいはい、ありがとう。オロナミン飲むか?トイレは大丈夫か?気をつけて行くんやで」と玄関が閉まります。

大きな買い物袋に一杯詰まった駄菓子をスクーターの荷台に括りつけていると、また玄関が開いて「気をつけて行くんで(行きなさい)」と言いパタン。また開いて「なんで車で来んかったん、単車じゃ心配じゃわ」でパタン。「来年も来るんやで」でパタン。「事故しぃなよ」でパタン。「死んじゃおえんよ」でパタン。これが延々続きます。

年々シワが増え、どんどん小さくなっていく婆ちゃんですが、このやりとりが楽しみでお参りしているといっても過言ではありません。人が一生で遺すモノ……それは人それぞれ。派手地味、大小、貢献なんて尺度は取っ払って、自分にとっての「その人」を味わいたい。そんなスタンスも楽しいですよ。

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