2014年7月3日木曜日

合わせて頂くことも大切

なかなか更新できなくてごめんなさい。

日曜日、高野山へ日帰り参拝をしてきました。人をお連れして、ゆっくりお参りするのは3年ぶりでした。久々の祖山は、来年の開創行事をひかえ、世界遺産も手伝って、世界からの観光客でたいへん賑わっていました。

そのせいで参拝者が減ったと嘆く声も聞かれますが、私のみるかぎりでは「お互いのバランスがよい」という印象を受けました。ときどき話題になる「観光客は不作法だ」という見方もちょっと違うような気がします。文化の違う諸外国からも大勢訪れているのですから、それは仕方ないことでしょう。

それより大事なのはサービスとしての進化をしつつ、これまでの参拝者が堂々と作法や行儀を示して導いて差し上げることが大事だと思います。日本の諺には「郷に入れば郷に従え」というものがありますが、郷がしっかりしていれば、そこには「厳」が生まれます。厳とは、厳しくするという単純な意味ではなく、その空間が緊張と崇拝で引き締まっていて凛としたようすを云います。この精神でここまでの歴史が保たれてきたのです。外国の方々も自分たちに合わせた観光地ではなく、1200年つづく修行の道場を味わいたくいらっしゃっているのです。これまでの参拝者が背中でそれを伝えるべきだと思います。

合わせることは大事ですが、合わせて頂くことも大切です。僧侶はそこに着目して、俗に降りることだけに終始せず、蓮座(菩薩のステージ)に引き上げる意識をもって導くべきだと改めて強く感じる旅となりました。

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