2014年3月10日月曜日

永く心を寄せて

そろそろ震災のことにふれようと想いながら、書きかけては手が止まり……ん? いつしか書いたことのあるような気がして振り返って見ると去年と同じ書き出しでした。深く考えても「あの時」と気持ちは変わっていないので、加筆訂正で再度アップします。画像も同じです。

11日を軸に「忘れないで」という国を挙げてのキャンペーン。忘れてはいけないけれど、忘れたいこともある。「お前は西日本の人間だからそんなことが言えるんだ!」と叱られたこともあります。でも関西も大きな地震がありました。当山もそれがきっかけで旧客殿がたいへん危険な状態まで傾き、境内の大改修を余儀なくされました。檀家さんのつながりで倉敷の斎場で、何十ものご遺体を目の当たりにして、遠くから(条例の関係で一宗教が近くで祈ることが許されなかった)1日中供養を捧げた経験もあります。

積極的にボランティアに参加した僧侶はその土産話に酔い、私のように地元に残って後方支援にあたった者は行動力のなさを責められたものです。その溝は未だに埋まらず、そのバランスは元に戻ることはありません。


何も出来やしない。この気持ちからどんどん皆さんの心の方向がバラバラになって善悪を決めつけて、誰かのせいにしようとすることは避けなければなりません。自らが乗っている船の底を傷つけて沈没させようとする人はいないのです。みんな最善を尽くしている。そして心から哀悼を捧げている。

陛下のおっしゃった「永く心を寄せて」というお言葉を私は何度も繰り返し、この3年を過ごしてきました。でもやっぱり「忘れない」という気持ちを強くすると、どうしていいのかわからなくなってしまいます。そんなときには素直に「忘れよう」と言い聞かせています。

この3.11、高蔵寺では特別ないたしません。いつもと変わらず……を祈りを積み重ねる。そんな立場でありたい、そう願っています。


◎すべての疲れた大人のための法話会 『抜苦与楽〜ばっくよらく』
  • 日 時  3月15日(土)午後8時〜
  • 講 師  天野こうゆう(高蔵寺住職)
  • テーマ  3月は「ご縁」について考えてみよう! 
  • 内 容  法話、質疑応答など
  • 会 費  1,500円(1ドリンク代込) 
◎3月の『くらしき仏教カフェ』
  • 日 時  3月16日(日)午後3時〜
  • 会 場  夢空間はしまや(倉敷市東町1-20)
  • 講 師  天野こうゆう(高蔵寺住職)
  • 内 容  法話、仏教解説、質疑応答、プチめい想など
  • 会 費  1,500円(お茶代込)
  • 申 込  086-422-2564(必ず予約をお願いします)



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