2014年3月9日日曜日

戒名は水墨画

おもしろためになる『拝、ボーズ!!podcast』の最新版が更新されました!ぜひお聴き下さい。

さて、戒名は「人が仏になるため」の大事な名前です。今では金銭的な部分だけギャーギャー言われがちですが、本来は信仰があって修行を求める人に対して、師匠が与える名前(戒律を守るという約束の名)です。ですから、昨日今日出会って、ポンとお金で買えるものではないのです。誤解を恐れずいえば、アイドルを目指す子が、大尊敬する師匠に認められて、デビューが約束された芸名みたいなものです。それに対して弟子はあれこれは不平は言わないでしょうし、実力のない人はそのチャンスはないのと同じです。決してk

先日、96才のおばあちゃんが旅立ちました。喪主は息子さんでした。若くしてご主人を亡くして女手ひとつで子供を育てて生涯を閉じました。遺族は「ここまで苦労してきたし、ぜひ親父と同じ霊位(戒名の格)をつけてやって欲しい」と懇願されました。私は快諾して、その家の過去帳を開きました。



おばあちゃんのつれ合いは、昭和17年没、行年28才の若さで亡くなっていました。もう60年以上も前の戒名でした。振り返ると、先代が高蔵寺へ入山したのが昭和10年です。まだ若き頃の師匠が授けた戒名でした。

師匠はいつも「戒名は水墨画のようなもの。夫婦なら2つで1つ、一対で壮大な絵が拡がるような戒名をお授けしなさい」と言っていました。師匠が若かりし頃につけた夫の戒名に、私が妻の戒名をそえる。時を越えて、まるで画賛(描かれた絵に対して、他人が讃える句を入れること…それを自分でやっちゃ格好悪いよという風刺から生まれた言葉が「自画自賛」)のような感覚。

この場でその2つの戒名を紹介することは出来ませんが、法話会ではぜひ(これまでの絵画的な戒名を)ご披露して壮大な絵を味わっていただけたらと考えています。そういう角度から「戒名」を眺めると歴史やセンスが沁みてきて、別のすばらしい価値観が備わると思います。

◎すべての疲れた大人のための法話会 『抜苦与楽』
  • 日 時  3月15日(土)午後8時〜
  • 講 師  天野こうゆう(高蔵寺住職)
  • テーマ  3月は「ご縁」について考えてみよう! 
  • 内 容  法話、質疑応答など
  • 会 費  1,500円(1ドリンク代込) 
 
◎3月の『くらしき仏教カフェ』
  • 日 時  3月16日(日)午後3時〜
  • 会 場  夢空間はしまや(倉敷市東町1-20)
  • 講 師  天野こうゆう(高蔵寺住職)
  • 内 容  法話、仏教解説、質疑応答、プチめい想など
  • 会 費  1,500円(お茶代込)
  • 申 込  086-422-2564(必ず予約をお願いします)



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