2014年3月21日金曜日

高野山の春

友人のNは高野山で働く男性(在家=僧侶ではない一般人)で、本日執り行われる『正御影供(しょうみえく)』で行列の籠をかつぐ大役を仰せつかっているそうで、そんな彼から早朝、画像メールが届きました。


かなり寒そうです。「もう春やん!」と浮かれる頃ですが、やっぱり高野山は甘くありません。ここからの寒さがとんでもなくきつかった記憶が蘇ります。

今日という日はもっとも空海さまを観じられる1日となります。今では旧暦と新暦の両方で供養がなされますが、一般的には彼岸の中日にあたる今日はたいへん盛大な法要が営まれます。これが終わると高野山に春が訪れます。

この日の由縁は、観賢(かんげん)僧正のお話にさかのぼります。観賢僧正は空海さま亡きあと、分散しつつあった高野山を1つにするべく働きかけ、朝廷には空海さまの諡名(おくりな)を下賜を求め、そして奥の院の定窟へ開け入り、御衣替えをなさりました。そのときに空海さまを拝したようすが、「生身(しょうじん)」の信仰(それまでは荼毘されたと伝わっていた)として今に伝わるようになりました。

そのお姿は尊くありがたいもので、なんとも香しい霧立ちこめる石室の中に静かに瞑想なされる空海さまの御衣は長年のご修行によって傷み、御髪も伸びておられたので投地礼拝を繰り返しながら、新しい御衣のお着替えと剃髪をお手伝いしたと云います。そのとき、同行したお弟子にはそのお姿を拝することができなかった。観賢僧正とお弟子、そして空海さまのご様子をいかに篤く説くかが、高野山本山布教師の大切な任務です。


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