2014年3月19日水曜日

ビートたけしと高野山


ずいぶん前の話になりますが、ビートたけしさんの特番で高野山が取り上げられていました。実は私が当時やっていたお遍路のラジオ番組『きくへんろ。』の収録で、そのロケと出くわしました。眼前に「世界のたけし」がいた。お山で勤める仲間に詳細を聞いて納得しました。というのも、たけしさんは毎年「日本人の信仰を問う」というテーマで特番を組んでいて、その内容はタブーとされている部分を浮き彫りにしてこられた。もちろん民放の限界はあるが、それでもなかなか衝撃的な内容だった。例えば、天皇の迎春儀礼に仏式(密教)が取り入れられているなど、一般的にはほとんど知らされないことが明かされてきました。

そこで『空海と高野山』が取り上げられたわけです。随所に仏教の豆知識を織り交ぜて、大陸、天皇、民衆の根底に流れているものを解く。ツッコミ所は満載でしたが、ここまで明確に密教を示した番組は珍しく、たけしさんらしいコメントが光ってました。「空海って、てっぺんまで行っちゃってるんだよね」というたけしさんの締めが今でも気になっています。



の番組で改めて感じたのは、整理をして説明することが大事だってこと。語弊を畏れず説くならば「日本仏教」にも整理が必要だってことです。日本仏教をバラバラにして、顕教と密教のエキスを分別して学んだり、日本仏教から真宗系を差し引いて古義密教の根本を知るとか、もうすでに「日本仏教のひと括り・ひと絡げ」ではかなり苦しい時期にきてる。誤解されたくないのですが、それは宗派間の優劣ではなく、混同すると根本の把握までにかなりの時間を要してしまうから。これからの日本に必要な仏教要素を知るキーワードはズバリ以下の通り。私自身、法話の中で折にふれて話しているキーワードでもあります。

  1. 密教と顕教の違いに気づけ
  2. 鎌倉期以前の仏教を光を当てよ
  3. 明治排仏毀釈以前の日本仏教を知れ
  4. 古義神道と密教の繋がりを正しく学べ

この番組で1つだけ足りなかった点は「高野山には、なぜ他宗の祖師や闘い合った武将の墓が寄り添って建つのか?」という疑問に対しての解答。それは密教が包括的な教えであるから。空海さまは「生かされている生命に気づき、全てを許した境地が密厳仏国であり、それはこの世なのだ」と高野山に道場を具現なさった。だからこそ、高野山が今に伝わり、いま再び人々の拠り所となっているのです。これを説かねば、雑学として「こんな考え方もあるのか」で終わってしまう。これからの時代に益々必要な教えだと掲げるなら、その立場の者はそこを説いていかねばならない。それを説ききれるのが高野山であり、真言行者なのですから。



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