2014年3月18日火曜日

一願地蔵に願う

20代半ばから住職を勤めてそろそろ20年。人に歴史ありと言いますが、檀家や信者とのつながりは実にドラマティックです。

昨日は天気もよく、境内で若いお母さんが幼子を遊ばせるシーンが次々に見られました。そんな中、境内の東角にある「お大師堂」に熱心に手を合わせる親子がいました。よく見ると若い時からよく知っている娘さんでした。「久しぶり、ええお母さんになったねぇ」と声をかけるとニッコリ笑って挨拶してくれました。学生時代はかなりのヤンチャでしたが、素敵なママぶりに感心しました。

「ここのおかげでこの子を授かったんです…」そう切り出して、これまでの苦労話をいろいろ聞きました。なかなか子供を授かることが出来ず、西へ東へ治療に走り回った日々、気持ちだけが空回りする毎日だったそうです。周囲の思いやりの言葉もいつしか棘(トゲ)となり、焦りに拍車をかけました。

そんなときお父さんから「高蔵寺のお大師堂へ参れ。実はワシもオメエもここで祈願して生まれたんじゃ。ここの子授けはすげー歴史があるんじゃ。」と言われ、半信半疑で日参したのだそうです。そして今では二児の母となりました。



倉敷の西部に『河内八十八ヶ所』が点在し、その10番札所が高蔵寺の境内にあります。ここは昔から「一願地蔵」として親しまれ、大好きな何か1つを断って、日を区切って、毎日お参りすると御利益に授かれるという伝承があります。その結願(けちがん)には、瞼を閉じている石仏(お大師さまとお地蔵さま)の眼が開いて見えると云います。お寺にそれを伝える確たるものは存在しませんが、口伝てで御利益を授かった話はたくさんあります。私も母も「お籠もり(おこもり)」をして願いを叶えた経験を持ちますが、それはまたどこかの法話会でご紹介いたします。


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